【子どもたちの声が響いた日。家族のきずなエッセイ】 静岡市の「あざれあ」で開催された「家族のきずなエッセイ」表彰式に、スタッフとしてお手伝いに参加しました。 今回の参加は、子どもがお世話になった校長先生からのお誘いがきっかけ。初めてのスタッフ体験でしたが、温かい雰囲気の中で多くの学びと感動をいただいた一日となりました。 式では、小学生の部・中学生の部に分かれ、子どもたちがそれぞれの想いを込めたエッセイを発表しました。 どの作品にも、家族との心温まる日常の出来事や、亡くなったおじいちゃん・おばあちゃんとの思い出、地域の方々への感謝やつながりを大切にする気持ちがあふれていました。 純粋でまっすぐな言葉に、思わず胸が熱くなります。 以前、冊子になったエッセイを読んだことがあり、その時も感動したのですが、やはり自分の言葉で、本人の声で朗読されると、伝わる温度がまるで違います。 大ホールのステージに立ち、多くの保護者や先生方に見守られながら、堂々と朗読する姿は本当に立派で、会場全体が温かな拍手に包まれました。 「家族のきずな」というテーマは、日常の中ではつい忘れがちな大切なものを、改めて思い出させてくれます。 家族を思いやる心、感謝を伝える言葉、そしてその気持ちを支える地域のつながり…。どれもが未来をやさしく照らす力になるのだと感じました。 心がぽっと温かくなる、そんな一日。 このような素晴らしい活動を、もっと多くの方に知ってもらいたいと思います。(2025年10月4日)
【異業種からの学び】 静岡県経済同友会の定例講演会に参加しました。 今回の講師は、大阪で食材メーカーを経営されている方。私自身とはまったく異なる業種ではありますが、講演の中には多くの共通点や学びがあり、大変有意義な時間となりました。 講演内容の詳細は会費制のためお伝えできませんが、企業としての姿勢や人づくり、商品へのこだわり、そしてお客様に喜ばれるものづくりへの考え方など、心に残る言葉が数多くありました。 従業員はおよそ20名ほどと伺いましたが、決して大きな規模ではなくとも、一人ひとりの力を最大限に生かす経営の工夫と熱意を感じました。 大企業の講演では、どうしても規模や体制の違いから自社にそのまま取り入れるのが難しい場合もあります。 しかし、今回のように中小企業の経営者の方の話は、現場の肌感覚やリアルな課題に寄り添っており、「なるほど、こういうやり方もあるのか」と思える実践的なヒントに満ちていました。 特に、社員教育の大切さや、商品開発への柔軟な発想、そして営業活動における工夫には大いに刺激を受けました。 同じように小さな組織でも、考え方次第で可能性は広がる....。改めて、そんな確信を得ることができました。 業種の違いを超えて、学び合い、高め合うことで、自分たちの仕事にも新たな風が吹き込みます。 今回の講演を通して、「私ももっと頑張ろう」と前向きな力をいただきました。(2025年9月19日)
【太宰治の一節、”人の手で握る”おにぎりのぬくもり】 車での移動の楽しみのひとつに、道の駅やサービスエリアでの立ち寄りがあります。 今回訪れたのは、愛知県にある「もっくる新城」。鳳来山や長篠城跡にもほど近く、私自身も以前その地を訪れた際に立ち寄って以来、何度か足を運ぶお気に入りの場所です。 ここ「もっくる新城」では、三河地方の特産品や地元の新鮮な食材が並び、規模こそ大きくはありませんが、温もりのある空気に包まれています。 食堂では名物の「卵かけご飯」が人気で、行列ができることもしばしば。まだ一度もいただいたことがないのですが、次回こそはと心に決めています。 そして、私のお気に入りは何といっても「手作りおにぎり」。 写真の通り、ずらりと並ぶ種類の豊富さに、思わず目移りしてしまいます。 スパム、味噌カツ、ひつまぶし、エビカツ、地鶏など、どれも地元ならではの味わい。 一つひとつが丁寧に包まれ、見た目にも食欲をそそります。 太宰治の小説『斜陽』には、こんな一節があります。 「おむすびがどうして美味しいのか、知っていますか。あれはね、人間の指で、握りしめて作るからですよ。」 まさにその通りで、人の手から伝わる温かさが、このおにぎりにもぎゅっと詰まっています。 ひと口食べると、ふんわりとしたご飯の甘みと具材の旨みが広がり、幸せな気持ちに。 しかも大きさは通常の1.5倍ほどあり、ひとつでも十分な満足感があります。 家族それぞれが好きなおにぎりを選び、自宅に戻ってから味わう時間もまた格別です。 「次はどれにしようかな?」と考えるのも楽しみのひとつ。 旅の途中で見つけた手のぬくもりが、今日も心を満たしてくれました。 (2025年9月15日)
【小さな一歩 ― さざれ石に込められた想い】 この夏休みの一部を利用して、研修に参加する機会をいただきました。 参加者は、経営者の方々をはじめ、医師、学校の理事長など、さまざまな分野で活躍されている方々。お互いの経験や考え方に触れながら学び合う、貴重な時間となりました。 研修施設の入り口には、日本の国歌「君が代」にも登場する“さざれ石”が置かれていました。 「さざれ石」とは、「小さな石」という意味を持ちます。 国歌の中では「さざれ石の巌(いわお)となりて」と続き、「小さな石が長い年月をかけて集まり、やがて大きな岩となる」様子を表しています。 これは、単なる自然現象の描写にとどまらず、「時間をかけて強固な基盤を築くこと」や「永続する平和・繁栄への願い」を象徴する言葉でもあります。 まさに“努力の積み重ね”や“つながりの力”を伝える、日本らしい美しい比喩だと感じます。 今回の研修でも、日々の小さな学びや経験の積み重ねこそが、自分を成長させる礎になるということを改めて実感しました。 参加者それぞれが、異なる立場や地域から集い、互いに刺激を受けながら研鑽を積む。 その過程はまさに、さざれ石が寄り集まり、やがて大きな岩となっていく姿と重なります。 私自身も、日々の小さな努力を大切にし、やがて揺るがぬ信頼と力を育んでいけるよう、これからも一歩一歩進んでいきたいと思います。 (2025年8月18日)
【備蓄米に思う、食のありがたさと平和への感謝】 先日、近所のスーパーに立ち寄ったところ、入り口近くに「備蓄米」が並んでいました。 ニュースでは、大手スーパーやホームセンターで備蓄米を求めて列をなす人々の様子が報じられていましたが、実際に店頭で目にするのはこれが初めてでした。 我が家ではちょうどお米を購入したばかりで、家族の人数も多くはありません。 普段はごはんだけでなく、パンやオートミールも食卓に並ぶため、急いで買い足す必要はなさそうです。 本当に必要としている方の手に渡ればいいと思い、今回は購入を見送りました。 備蓄米の棚のすぐ隣には、なぜか“みりん”も一緒に並べられており、これを入れればと美味しく炊けるのかな?と思いました。 ふと、平成の“米騒動”の頃を思い出しました。 当時は国内産のお米が手に入らず、タイ米が販売されました。 慣れない味に戸惑う声もありましたが、そのとき日本の米の美味しさを改めて感じた方も多かったと思います。 そして何よりも、タイ政府が他国に先駆けて、自国の備蓄米のほとんどを援助として送ってくれたという温かい事実は、今でも忘れられません。 結果的に一部が口に合わず廃棄されたという話もありましたが、あの時の支援の心にこそ、人と人、国と国の“絆”があったのだと感じます。 戦後の物資の乏しい時代を思えば、今はお米が少し足りなくても、他の食材を選べるほど豊かな時代です。 日々の食卓に並ぶ一粒一粒のお米に、そしてこうして自由に選べる暮らしに、改めて感謝の気持ちがこみ上げます。 私たちが当たり前と思っている“食べられる幸せ”こそ、平和の証。 今日の一膳も、感謝の心で味わいたいものです。 (2025年8月2日)
【夏の訪れを告げる朝顔】 庭の朝顔が、ようやく今年も可憐な花を咲かせてくれました。 昨年はグリーンカーテンとして植えたゴーヤが思うように育たなかったため、今年は朝顔とフウセンカズラの組み合わせにしてみました。知り合いの園芸店から苗を購入し、ネットを張って少しずつツルが伸びていく様子を見守ってきました。 このグリーンカーテンは、毎年の夏の恒例行事でもあり、強い日差しを和らげてくれる頼もしい存在です。わずかではありますが、地球温暖化対策の一助になればという思いも込めています。植物の力で涼を感じられるのは、自然の恵みそのものです。 これからの季節は、遮光ネットの設置や害虫対策など少し手間のかかる時期でもありますが、それもまた夏の風物詩。赤や青、紫といった色とりどりの花が朝の光の中で次々と咲く姿を想像すると、不思議とやる気が湧いてきます。 今年の朝顔はどんな表情を見せてくれるのか?日々の成長を楽しみにしながら、季節の移ろいを感じていきたいと思います。 (2025年7月20日)
【アジアンランチの魅力】 先日、市内にあるアジアンレストランを訪れました。 一歩店内に入ると、どこか懐かしさを感じる温もりある空間。民家を改築した店内は、梁や柱の跡、かつての間取りがそのまま生かされており、アジアの風と日本の古き良き雰囲気が心地よく混ざり合っていました。 メニューを開くと、タイ・インドネシア・ベトナムなど、多彩なアジア各国の料理がずらりと並びます。その中から、私は台湾の定番「魯肉飯(ルーローハン)」と「担仔麺(タンツーメン)」がセットになった“台湾プレート”を選びました。 台湾にはこれまでに二度ほど訪れたことがありますが、意外にもこの2品を現地で口にしたことはありませんでした。 いざ一口食べてみると、そのおいしさに思わず笑みがこぼれます。 魯肉飯はほろほろとやわらかく煮込まれたお肉が、ごはんにしっとりと絡み、香り高い八角の風味がほんのりと鼻をくすぐります。日本人の味覚にも合うように程よくアレンジされており、脂っこさもなく上品な仕上がりです。 そして担仔麺は、あっさりとしたスープに優しい旨みが広がり、麺とのバランスも絶妙。思わず箸が止まらなくなるおいしさでした。さらに、サクサクとした揚げ物やちょっと嬉しいデザートまで添えられていて、見た目も味も大満足のプレートです。 食後にいただいたお茶は香り高く、器具もとても洒落ていて印象的でした。お茶を濾す容器が素敵だったので、会計の際に購入しようか少し迷いましたが、「次回のお楽しみ」としてそのまま店を後にしました。 心もお腹も満たされる、そんな癒しの時間でした。 次もまた訪れたいと思います。 (2025年7月6日)
【雨に映える紫陽花】 ふと立ち寄った近くの公園で、紫陽花(あじさい)が見事に咲き誇っていました。 淡い紫や青、そして少しピンクを帯びた花々が、雨に濡れながらも凛と咲いている姿は、まるでこの季節の主役のようです。 梅雨に入ると、つい空模様に心も沈みがちになりますが、そんな中で紫陽花の鮮やかな色は、不思議と気持ちを明るくしてくれます。 雨粒をまといながら静かに咲くその姿には、「どんな天気の日も自分らしく咲こう」という花からのメッセージが込められているようにも感じました。 四季折々に咲く花たちは、それぞれの季節に寄り添いながら、私たちに大切なことを教えてくれます。 移ろう季節の中で、出会える花々に感謝し、そのひとつひとつの瞬間を大切に過ごしたいものです。 そして、今日という日も小さな喜びを見つけながら、一日一日を丁寧に、前向きに重ねていきたいと思います。 (2025年6月22日)
【富士の自然に包まれて】 何十年ぶりかに、富士の名勝「白糸の滝」を訪れました。 かつての記憶にある風景とはずいぶん様子が変わり、滝までの道のりや駐車場はすっかり整備されており、懐かしい昔の面影はほとんど見当たりませんでした。 その代わりに、おしゃれな雑貨店や飲食店などの素敵なショップが立ち並び、散策の楽しみが増えていて、帰りに立ち寄るのを心待ちにしました。 観光地として人気が高まっているのか、外国からの観光客の姿も多く見られました。 その中で、一部の方が立ち入り禁止の柵を越えて滝の近くまで入り、水に浸かっている様子を目にしたのは少し残念でした。自然の美しさを守るためにも、訪れる人々がマナーを大切にしてもらえたらと感じました。 帰り道、ショップを見て回っていると「レンタルサイクル」の看板が目に留まりました。富士宮市が実施している事業で、電動アシスト付き自転車(E-BIKE)を90分1,000円でレンタルできるとのこと。田貫湖などの近隣エリアをのびのびとサイクリングしながら、自然を存分に満喫できるうえ、YAMAHA製のE-BIKEに試乗できるというのも魅力的です。 次回は、ぜひこのレンタルサイクルを利用して、風を感じながら富士の自然をゆっくりと楽しんでみたいと思います。 (2025年6月8日)
【西来院 浜松市】 今回訪れたのは、浜松市中心部・広沢にある「西来院(せいらいいん)」。 住宅街の中に静かに佇むこの寺院には、緑豊かな敷地が広がり、ふと時の流れを忘れさせてくれるような空間が広がっています。 かつては浜松市の観光パンフレットにも紹介されていた名所。今では少しひっそりとしていますが、実はここは、徳川家康公の正室・築山殿(瀬名姫)が眠る場所として知られています。 戦時中に本堂は焼失してしまい、現在はコンクリート造のモダンな建物に建て替えられていますが、築山殿の御廟は変わらず、静かにその地に寄り添っています。 築山殿は、武田家に内通したという嫌疑から、織田信長の命によって命を落としたという説が知られています。しかしその一方で、浜名湖を渡って浜松へと向かい、佐鳴湖方面まで足を運び、最愛の息子・信康の命を救うために家康に嘆願しようとしたとも言われています。 富塚あたりでその生涯を閉じた築山殿。自害か、家臣により殺害されたかは定かではありません。近くには、刀を清めたとされる「大刀洗の池」も存在していましたが、近年病院の拡張により埋め立てられてしまいました。歴史の証がまたひとつ失われてしまったことに、惜しさを覚えずにはいられません。 長らく「悪女」として語られることの多かった築山殿ですが、大河ドラマ『どうする家康』では、その人物像に新たな光が当てられました。戦国の混乱に翻弄されながらも、平和を願ったひとりの女性としての築山殿。もしかしたら、この乱世を誰よりも早く終わらせたかったのは、彼女だったのかもしれません。 戦乱の世に翻弄された一人の女性の命と想いに、静かに心を寄せた一日でした。 (2025年5月25日)
【御前崎灯台と鯉のぼり】 静岡県・遠州灘に南へ突き出すように佇む御前崎。古くから“海の守り神”に捧げられた神聖な岬とされ、天照大神を祀る神社や数々の伝説も残されています。「御」の字が付くのも、そんな由緒があるからなのかもしれませんね。 この日は、ペット同伴OKとの情報を頼りに、犬連れで御前崎エリアへ。11時のレストラン開店まで少し時間があったので、御前崎灯台へ足を伸ばしました。 せっかくだからと灯台に登ろうと列に並んだのですが……途中でふと、「高所恐怖症だった」と気づき、無念のリタイア。そのまま下から、子どもたちが楽しそうに登っていく様子を眺めていました。上からの絶景、さぞ気持ちよかったことでしょう。遠州のからっ風に吹かれて、灯台の上では鯉のぼりが気持ちよさそうに空を泳いでいました。 隣接のレストランは、まさに海辺らしいハワイアンな雰囲気。ただ「ペット同伴ですが…」と尋ねたところ、「外席でドリンクのみの提供になります」とのご返答。しばらく並んでいたのに、ここでも無念のリタイア第2弾。情報はちゃんと載せておいてほしいです。 気を取り直して、帰りは海岸線をのんびりドライブ。青空と海風に癒やされる、いい休日になりました。 (2025年5月10日)
【用宗漁港で味わう、しらす尽くしの漁師丼】 ゴールデンウィークのある日。家族で愛犬を連れて向かったのは、静岡市駿河区にある用宗漁港(もちむねぎょこう)。実は我が家、愛犬同伴OKのお店が外食の絶対条件。ネットで調べて目星をつけていた飲食店は、なんとまさかの臨時休業…。行楽シーズンにしては珍しいことですが、こういう“想定外”もよくある事。 「どこか他に良いところはないか」と漁港近くを車で回っていると、人の列が。しかも犬連れの姿もちらほら見えるではありませんか。急遽予定を変更し、漁港直売所内の屋外席で、用宗名物の海鮮丼をいただくことにしました。 注文したのは、名物の「漁師丼」。茹でしらすと生しらすのハーフ&ハーフが一杯に盛り付けられた贅沢な一品。さらに、マグロのぶつ切りも追加。待つこと約20分、海の香りとともに丼が到着しました。 ふっくらとした茹でしらすの優しい塩味と、プルンとした食感の生しらすの甘み。そこに、おろし生姜がぴりっとアクセントを添えます。漁港ならではの鮮度と、潮風を感じながらの開放的な食事。これ以上の贅沢はありません。 セットで付いてきた、わかめの味噌汁もまた格別。香り高く、口に含めば出汁の旨みがじんわり広がります。あっという間に完食してしまいました。 次回は、気になっていた「マグロの漬け丼」に挑戦したいところ。犬連れでも気兼ねなく楽しめる、用宗漁港の魅力を再発見した一日となりました。 (2025年4月29日)
【すべてには時がある】 「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」これは旧約聖書の『コヘレトの言葉(伝道の書)』3章1節の一節です。続く節では、「生まれる時、死ぬ時」「泣く時、笑う時」「嘆く時、踊る時」など、人生のさまざまな瞬間が対になって語られています。これらの言葉は、人生のあらゆる出来事が、それぞれの「時」に意味を持っていることを示しています。 4月、私自身の人生にも大きな出来事がありました。誰もが通る道ですが、その出来事を通じて、改めて「すべてには時がある」という言葉の重みを感じています。人生には、喜びや悲しみ、出会いや別れなど、さまざまな瞬間がありますが、それらすべてが意味を持ち、私たちを成長させてくれるのだと思います。 過去を振り返ると、「あの時こうしていれば」「もしああしていたら」と思うこともあります。しかし、どの選択も、その時の自分が最善を尽くした結果であり、すべてが今の自分を形作っているのだと信じています。 これからも、人生のさまざまな「時」を大切にし、前向きに歩んでいきたいと思います。皆さまも、それぞれの「時」を大切にし、充実した日々をお過ごしください。 (2025年4月23日)
【苺?それとも山?久能山東照宮、参拝のはじまりは駐車場から】
先日、静岡市が誇る歴史の地、久能山東照宮へ、はじめての朝参拝に行ってきました。 入口前の駐車場に車を停めようとしたところ、案内係のおじさんが、山の頂を指差したかと思えば、今度は口元に親指と人差し指を添えて、まるでホイッスルを吹くような謎のジェスチャー。え…山?笛?と一瞬戸惑いながらも、「参拝です」と答えると、「上まで20分かかるけど、大丈夫ですか?」と優しくも真剣な表情で確認されました。 (そんなに体力なさそうに見えたのか? それとも、ここまで来て断念する人もいるのか…?) 若干不安を覚えつつも、「大丈夫です!」と元気よく返事をして車を停め、いざ参道へ。
久能山東照宮の参道「表参道」は、1,159段もの石段が続く険しい道のり。それでも、登る途中には駿河湾の青く広がる海を背に、美しい景色が心を励ましてくれます。何度か立ち止まりつつも、20分もかからず無事に登頂。やはり、自分の足で一歩一歩登ってこそ得られる達成感と御利益があるというものです。
整備された石段とはいえ、現代でもなかなかの運動量。ましてや、1616年、徳川家康公のご遺体が雨の夜、駿府から松明を掲げて山を登ったと伝えられていることを思えば、その道のりがどれほど厳しく、また荘厳なものであったか、想像に難くありません。記録こそ少ないものの、本多正純や南光坊天海ら、家康公の側近たちが、その最期を厳粛に見届けたとされます。 境内では、国宝に指定されている本殿・石の間・拝殿を参拝。煌びやかな桃山様式の建築に心を奪われ、しばし見惚れました。そしてその奥に佇むのが、家康公が眠る御廟所。大きな囲いの中に静かに建つ墓所からは、今もなお、その偉大さと威厳が伝わってきます。
さらに敷地内の徳川歴史博物館にも立ち寄り、家康公ゆかりの遺品や甲冑、洋時計など、貴重な展示物をじっくり拝見。歴史の重みを体感しつつ、参拝を終えて駐車場へ戻ると、先ほどのおじさんが笑顔で「早かったですね」とひと言。…実は結構しっかり満喫したのだけれど、どうやらロープウェイで日本平まで行く観光コースもあるようで、そちらと勘違いされたのかもしれません。 そして帰路、久能海岸沿いのいちご農園を横目に走っていた時、ふと、あのジェスチャーの謎が解けました。
「口元に指=いちごを食べる仕草」「山を指差す=久能山参拝」 つまり、あの動きは── **『苺狩りですか? 久能山ですか?』**という確認だったのです! なるほど、久能といえば石垣いちごの名産地。どうやら駐車場の区分が目的によって異なるようで、初めて訪れる人にはちょっと分かりにくい。それでも、そんな戸惑いすら、後から笑って思い出せる良い出来事となりました。 冬の名残と春の兆しが交差する久能の朝。歴史と向き合い、自分の足で登った充実感、そして苺のジェスチャーをめぐる謎解き…。どれも心に残る、静岡の魅力あふれる一日でした。 次回は、ロープウェイと石垣いちご狩りも合わせて、再びこの地を訪れたいと思います。 (2025年3月31日)
【回転寿司と高級車のあいだで 】 人生には思いがけない“試乗チャンス”が、ふと訪れるものである。先日、取引先の社長さんの車だが、「ちょっと乗ってみる?」ということで、なんとその場で高級車に乗り込むことに。しかも、あろうことか、それが“代車”!なのだというのだから、時代も変わった。 エンジンスタート。静かに、まるで“音のないオーケストラ”のように滑り出すこの一台。まず目に飛び込んでくるのは、ダッシュボードに助手席まで広がる横長のモニター。まるで回転寿司「スシロー」の注文画面のようだ。ちなみにお寿司は出てこないが、代わりに未来感がしっかり味わえる。 そして驚いたのが、自動でせり出すドアハンドル。ドライバーが近づくと、まるで「おかえりなさい」とでも言いたげに、スッと姿を現す。ドアを開け、運転席に腰を下ろすと、インテリアはラグジュアリーそのもの。木目とレザーのコントラストが、欧州車的な質感を演出している。 走り出してまず感じたのは、その剛性感と静粛性。路面からの情報は確かに伝えてくるのに、どこかしら余裕と包容力がある。タイヤの接地感がしっかりと地面を捉えていて、ドライバーはまるで“車に運ばれている”のではなく、“自分が路面と対話している”ような感覚になる。これはなかなか得難い体験だ。 この車、ネットで調べたら、ちょっとした家が、建つ価格だった。 とはいえ、車というものはスペックだけでは語れない。その場の空気、乗り心地、触れる素材、そして“気分”がなによりも価値になる。たとえ一瞬でも、それを感じることができたのは、ちょっとした贅沢な時間だった。 とにもかくにも、いい経験になりました。 (2025年3月3日)
【河津桜が春の訪れを告げる】 公園の河津桜が、ようやく満開を迎えました。今年は寒さの影響で、例年よりも約2週間ほど開花が遅れましたが、その分、一層待ち遠しく感じられた春の兆しに心が躍ります。 桜色に染まる枝々が青空に映え、柔らかな陽射しを浴びて揺れる姿は、まるで「もうすぐ春ですよ」と優しく語りかけてくれているようです。寒い冬の厳しさを乗り越え、こうして花開く姿には、どこか励まされるものがありますね。 河津桜が咲くと、春はすぐそこ。冷たい風の中にも、どことなく穏やかな空気を感じるこの頃。冬の終わりとともに、新しい季節の始まりを楽しみにしたいと思います。 (2025年2月28日)
【静岡グランシップ「Shizuoka-Products Forum 2025」へ行ってきました】 静岡グランシップで開催されている 「Shizuoka-Products Forum 2025~モノでつながる3日間~」 に足を運びました。セミナーに参加した後、展示会場(10階 1001会議室)に立ち寄ると、そこには静岡の家具産業の歴史と技術が詰まった素晴らしい展示が広がっていました。 会場では、静岡の家具がどのように進化してきたのかを、製品や材料の実物展示、さらには職人による匠の技の実演・解説を交えて紹介していました。特に印象的だったのは、弊社でも長年製造してきた 懐かしの卓上鏡。当時のデザインを忠実に再現した展示品を目にし、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。 また、会場では 展示内容に関するクイズラリー も実施されており、家具木工に携わる者として挑戦したところ、無事 全問正解!おかげで、正解者特典として景品までいただくことができました。(クイズの内容は比較的優しかったですが、久しぶりに楽しみながら学ぶ機会となりました。) 江戸時代から続く「家具産地・静岡」の伝統と革新。過去から未来へと受け継がれるモノづくりの精神が、職人たちの技や情熱を通じてしっかりと息づいていることを改めて実感しました。業界の垣根を越えて「モノでつながる」静岡の魅力が、ここからさらに広がっていくことを期待したいと思います。(2025年2月20日)
【和紙に込められた温もりと優しさ—伊藤絹子さんの人形展】 先日、亀山画廊さんで開催中の「伊藤絹子さんの人形展」に足を運びました。この展覧会は1月16日(木)から27日(月)まで行われており、素晴らしい作品を直接見ることができる貴重な機会です。今回、この展示に関わるお仕事をさせていただけたご縁に、心から感謝しております。 以前、写真で作品を拝見したことはありましたが、実際に間近で見ると想像以上に大きさや存在感があり、圧倒されました。和紙を幾重にも重ねて作られた人形たちは、和紙特有の温かみや優しさに包まれており、まるで命が吹き込まれているかのように生き生きとしています。動きや表情がなんとも愛らしく、見る人の心をほっこりと和ませてくれます。 人形の重さも軽いものからずっしりとした存在感のあるものまでさまざま。また、壁に飾れるタイプの人形や、これからの季節にぴったりな雛人形も展示されていました。どれも個性豊かで、それぞれの作品が部屋に温かい明るさをもたらしてくれることでしょう。 実際に会場で作品を見て感じたのは、作り手である伊藤絹子さんの手仕事の細やかさと、作品に込められた深い思い。和紙が持つ柔らかな風合いが、そのまま人形たちの魅力として生きているようでした。 もしご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ亀山画廊さん(静岡市葵区鷹匠2-4-40)に足を運び、伊藤絹子さんの世界観に触れてみてはいかがでしょうか。作品たちが、きっと皆さまの心を明るく照らしてくれることでしょう。 (2025年1月20日)
【インフルエンザの猛威】 年末に久しぶりに東京へ出かけた数日後、突然の悪寒と発熱に見舞われました。翌朝、近くの医院に電話をしたところ、「今すぐ来られますか?」と案内されました。(ちょうど患者さんが少ない時間帯だったようです。)医院に到着すると、入り口横のインターホンで呼び出し、別室へと案内されました。そこでインフルエンザとコロナの同時検査を受けた結果、診断されたのはインフルエンザA型でした。 生まれて初めて感染したことに驚き、全く油断していた自分を少し反省しました。クリスマスの日に発症し、年末には回復したものの、体調を崩す辛さを改めて実感しました。しかし、比較的空いている時期に診察と治療を受けることができたのは幸いでした。というのも、年明けからのインフルエンザの猛威を目の当たりにしたからです。 ニュースによると、大分県では定点医療機関あたりの患者数が第52週(12月23日~12月29日)に104.84人という異例の数値を記録したとのこと。全国的にも感染が急拡大しており、マスク着用の緩和、グローバル化、インバウンドの影響など、さまざまな要因が重なった結果だと言われています。私の近所の医院でも、人と車が長蛇の列を作り、まるで人気店の行列のような光景が広がっています。しかし、その列に並ぶのは体調を崩した患者さんたち。寒空の下、長時間待たされている姿を見ると、とても心が痛みます。 さらにニュースでは、A型が収束した後もB型の流行が控えていると報じられており、まだまだ気を緩められない状況です。弊社では、この機会に久しぶりに加湿空気清浄機を取り出し、対策を強化することにしました。一刻も早く感染拡大が収まり、安心して日常生活を送れる日々が戻ることを心から願っています。 これからもマスク着用・手洗い・うがい・予防接種など、自分にできる範囲での予防を心掛けたいと思います。皆さまもどうぞお気をつけください。今年も寒い季節が続きますが、健康に気をつけて、元気な日々をお過ごしください。 (2025年1月14日)
【時間の尊さ】 月日の流れは本当に早いものです。今年も気がつけば残りわずかとなり、本日をもって今年の業務が無事に終了いたしました。この一年、お世話になりましたお取引先の皆様に、心より感謝申し上げます。皆様の温かなご支援とお力添えにより、こうして穏やかに一年を締めくくることができましたこと、改めて深く感謝申し上げます。 「逝く者は斯の如きか、昼夜を舍かず」(ゆくものはかくのごときか、ちゅうやをおかず) この言葉は、先代である父が遺してくれた中国の古典『論語』にある一節で、孔子が川の流れを眺めながら詠んだとされています。「時は昼も夜も休むことなく、絶え間なく流れていく」というこの言葉には、時の儚さと、その中で私たちがどう日々を生きていくべきかという問いが込められています。 父が遺してくれたこれらの書物や言葉は、時を経てもなお心に響き、学びと気づきを与えてくれます。 今年もまた、過ぎ去る時の流れに感謝しつつ、振り返るべき多くの時間があったことに思いを馳せています。私たちは、川の流れのように止めることのできない時の流れに逆らうことはできません。しかし、その流れの中で一日一日を大切に生きること、そして次の年に向けた準備を丁寧に重ねることが、未来に希望を育む鍵ではないかと思います。 こうして一年を振り返ると、多くの出会いや経験がありました。それらすべてに感謝しつつ、新たな年を迎えるための心構えをしっかりと整えたいと思います。今年一年、皆様の温かいご支援のおかげで無事に過ごすことができましたこと、改めて感謝いたします。2025年が皆様にとって希望に満ち、充実した一年となりますよう心からお祈り申し上げます。(2024年12月27日)
【大学時代の研究会、100周年という節目を迎えて】 昨日、私が大学時代に所属していた会の100周年祝賀会に出席しました。もっとも、コロナ禍の影響で開催が延期されたため、実際には102年目の記念となります。(なお、大学自体の設立はこれより20年以上前に遡ります。) 久しぶりに訪れたキャンパスは、駅からの道や校舎が近代的に整備され、当時とはすっかり様変わりしていました。しかしながら、設立当初から建造され、シンボル的存在でもあるレトロな校舎は今もそのまま。懐かしさが胸に込み上げると同時に、学生時代の思い出が鮮やかに蘇りました。 今回のOB会は、私にとって卒業後初めての参加でした。長い年月を経て再会した先輩方、同期、後輩たちと顔を合わせ、昔話に花を咲かせるうちに、不思議と学生時代に戻ったような錯覚を覚えました。近況を語り合いながら、当時の活気ある日々を思い出し、時が経っても変わらない絆を感じることができました。祝賀会が終わった後も、3次会まで話が尽きることはなく、終電ギリギリまで楽しい時間を過ごしました。 振り返れば、私の現在の立場やこれまでの歩みは、この研究会での経験によって形づくられたものでした。学生時代の4年間は、視野を広げ、多くを学び、充実感に満ちた日々でした。先輩方から学んだこと、同期と切磋琢磨した日々、後輩たちとの交流...。これらすべてが、今の私を支える土台となっています。 100周年という記念すべき節目に立ち会えたことを、心から光栄に思います。この長い歴史を紡いでこられた先輩方に深く敬意を表し、またその伝統を受け継ぎ、さらなる広がりを与えてきた後輩たちに、感謝の意を捧げます。 これからも、この研究会が多くの人に学びと成長を与える場であり続けることを願い、微力ながら私も応援していきたいと思います。過去から未来へと続くこの絆を大切にしながら、さらなる発展を心から祈念しています。 (2024年12月22日)
【顧問の引退に寄せて】長きにわたり弊社を支えてくださったプロダクトデザイナーである顧問が、このたび引退の意を表されました。実は以前にも引退を申し出られたことがありましたが、まだまだ力になっていただきたいと引き留め続けてまいりました。 そのお付き合いは先代の時代から50年以上にわたります。親でもあり、兄でもあり、そして先生でもあるような存在でした。一緒に商品を開発し、時にはクセの強い職人たちと向き合い、また海外工場を訪れ、生産体制の基盤を築く第一歩を共に歩みました。現地で口にした珍しい料理も、今では懐かしい思い出のひとつです。語り尽くせないほどの出来事が胸に刻まれています。 また、熱心なキリスト者であられた顧問は、私たちを教会に招待してくださり、クリスマス礼拝や聖歌隊の歌声に触れる貴重な経験をさせてくださいました。その場で感じた温かさや穏やかな空気は、心に深く残っています。 キリスト者ではない私たちが聖書を引用するのはおこがましいかもしれませんが、この言葉を今、顧問に捧げたいと思います。 「知恵は老いた者と共にあり、分別は長く生きた者と共にある。」(ヨブ記 12-12) 顧問が長い年月をかけて培われた知恵や経験は、何にも代えがたい価値を持つものでした。それを次の世代が受け継ぎ、未来へ繋げることが、私たちに課せられた使命だと感じています。顧問の歩まれた道に敬意と感謝を込めて、これからもその志を胸に邁進していきたいと思います。(2024年12月19日)
【富士山と犬の横顔雲——偶然が描いた空のアート】買い物の途中、商業施設の「夢の大橋」の手前でふと空を見上げると、雄大な富士山が目に飛び込んできました。その山頂に浮かぶ雲を見て驚きました。なんと、それは我が家の愛犬にそっくりな横顔の形をしていたのです。 横を向いた雲の穏やかな表情に、どこか親しみを感じ、心が温まりました。この日、この瞬間だけの小さな奇跡。自然が生み出すこんな偶然が、日常に彩りを与えてくれます。 ふと足を止めて空を見上げてみませんか?そこには、あなたにだけ届く特別な物語が広がっているかもしれません。(2024年12月14日)。
【からし味噌とチャーシューの絶品ハーモニー】たまに足を運ぶ、某商業施設のラーメン店。この日注文したのは「からし味噌チャーシューメン」。白い丼に盛られた一杯は、見るからに食欲をそそるビジュアルだ。香ばしい味噌スープには、青のりのアクセントが散らされ、旨味の層が期待を膨らませる。 左の小皿に添えられた“からし味噌”は、辛さが強すぎないよう半分にしてもらうのが私のこだわり。その結果、濃厚な味噌スープにじんわりと広がる辛さが絶妙にマッチし、スープの奥深さが引き立つ。食べ進めるほどに、身体がぽかぽかと温まってくるのを感じる。 そして、何と言ってもこのチャーシュー。厚みのある肉は驚くほど柔らかく、箸を通せばほろりと崩れるほどの仕上がりだ。噛むごとに染み出す旨味がスープと絡み合い、口の中で幸福感が広がる。 ただひとつ悔やまれるのは、味玉をつけ忘れてしまったこと。しかし、次回の「リベンジ」を心に誓い、今日の一杯にしっかりと満足するのであった。 からし味噌の辛味と濃厚スープ、そして最高のチャーシューが織りなす、至福の一杯。次に訪れた時は、ぜひ味玉も添えて、さらなる完成形を味わいたい。(2024年11月24日)。
新たに生まれた製品や、職人たちの手仕事の裏側にあるものづくりの過程をご紹介します。木の温もり、技の輝き、一つひとつに込められた想いをお届けするコーナーです。新しい出会いと発見が、日々の暮らしに彩りを添えることでしょう。どうぞお楽しみに。
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弊社の製品がテレビドラマやCMでご使用いただきましたので、ご紹介いたします。
なお、著作権や商標等の関係上、番組内での画像や詳細な商品名のご紹介は控えさせていただいております。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
これからも弊社は、品質の高い製品をお届けし、皆様の暮らしやビジネスシーンに役立つ商品づくりを続けてまいります。
弊社では、各種記念品や特別な場面にふさわしいアイテムの納入実績がございます。これまでお客様からご好評をいただいた事例の一部をご紹介いたします。
このほかにも、多くの団体・企業様より記念品や贈答品のご依頼をいただいております。長年培ってきたノウハウと実績を活かし、お客様のご期待に沿った商品をお届けします。 記念品の制作や納入についてのご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。